菌糸ビンの選び方と用途、オオクワガタにはどれがいいの?

オオクワガタの幼虫を大きく育てるためには菌糸ビンが必須です。

菌糸ビンは栄養価の高い広葉樹を粉砕したオガ粉キノコの菌を用いた幼虫専用の餌です。この菌糸ビンについて、どれを選べばいいのか?導入時期はいつ?ご存知ない方は疑問がたくさんあると思いますので、紹介します。

菌糸ビンの選び方と用途

菌糸の役割とは?

幼虫はクヌギやブナなどの「オガ」を食べて大きく育ちます。そこに菌糸を使用することで、菌糸がオガに含まれる分解されにくい成分(リグニンセルロース)を分解し、幼虫が栄養を摂りやすい状態をつくります。そうして、幼虫が食べた後の食べカスやフンにも再び菌糸がまわることで、常に栄養が摂れるサイクルができます。

よって、材飼育やマット飼育と違って、幼虫を大きく育てるためには、菌糸ビンが最も適しています。

菌糸の選び方

菌糸に使用するオガは栄養価の高いクヌギや分解の早いブナ等を使用しますが、幼虫の成長に大きく関わるのが、オガを分解する菌糸です。菌糸の種類と特徴を知ることで、ブリードの知識として非常に役立ちます。

菌糸の種類

オオヒラタケ

オオヒラタケは温度に強く、幼虫の餌の食いつきが良いです。また、菌糸交換の際に幼虫が暴れたとしてもすぐに菌糸が再生してくれるので、初心者の方にもオススメです。

オススメの販売店としては、月夜野きのこ園様の菌糸です。それなりにサイズがでるうえに、品切れになりにくく、価格もリーズナブルでまとめ買いだと送料無料になるのでお財布にも優しいです。

大型を狙う方には、マツノインセクト様のオアシスです。ブロックでの販売はしておらず菌糸ビン販売のみですが、超大型を産出した実績があります。また、マツノインセクト様は久留米産で大型かつ美形であるマツノ久留米血統を産出しており、そちらも販売されてます。

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・適正温度は18℃〜30℃で高温に強く、劣化しにくいため夏場に適している
・菌糸の再生能力が高い
・幼虫と餌の相性が良い
・水分が多く、劣化すると泥状になる
・極度の温度変化できのこが育ちやすい

オススメ品

ヒラタケ

秋から冬にかけて、ヒラタケの菌糸ビンを使用しています。幼虫の餌への食いつきも良く、時期や状況に応じてオオヒラタケ系にシフトチェンジしやすいので、こちらもオススメです。

・適切温度が18℃〜25℃なので、多少の寒さに強い
・時間とともに水分が減っていくので、カビりにくい
・幼虫と餌の相性が良い
・高温に弱く、劣化しやすい

オススメ品

カンタケ

超大型の羽化を狙うのにオススメの菌糸です。菌糸を生成するために酸素を多く消費するので、菌糸ビンを裏返してガス抜きしたり幼虫への餌の食いつきをみたり等、難易度高めの菌糸です。その分、栄養価が高いので、ある程度菌糸の知識やブリードに慣れた方にはオススメです。

・15℃でも耐えれるので、寒さに強い
・キノコは発生しにくい
・超大型を狙える
・菌糸が育つのに他の菌糸と違って酸素を多く消耗する
・高温に弱い
・初心者にあまり向いていない

オススメ品

三階松きのこ農城様のtypeシリーズは非常に人気があり、この菌糸でブリーダー様がビークワレコードを更新している実績もあります。うまくブリードできると、幼虫体重がかなりのるのでゴツさが売りの川西産には相性バッチリの菌糸です♪

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また、神長キノコ園様S8カンタケも有名でオススメです。こちらも専用サイトからの購入になりますが、超大型で羽化した実績があり、とても人気があるため品切れになりやすいです。

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カワラタケ

まだ使用したことはありませんが、オオクワガタの産卵に適しています。通常は産卵木に産卵しますが、菌糸カワラ材はの産卵しやすい環境であるため産卵意欲を促進します。また、オオクワガタの育成に使用するには不向きですが、外国産のクワガタ育生には向いています。

・15℃でも耐えれるので、寒さに強い
・オオクワガタの♀は産卵場所にカワラタケを好むため、産卵セットを組む際に適している(菌糸カワラ材)
・暑さに弱く劣化しやすい
・オオクワガタを育てるには不向き
・雑菌が繁殖しやすい

オススメ品

親が食べていた菌糸

幼虫を育てる際は、親がどの菌糸食べていたか知ることも菌糸選びの指標になります。経験談を基にしてますが、幼虫にも菌糸の好みがあり、菌糸をあまり食べない時は、親がこれまで食べていた菌糸と同じ菌糸なら食べます。

とはいえ、必ず親と同じ菌糸にしないといけない訳ではないので、幼虫が選んだ菌糸をなかなか食べない時にはオススメの方法です。

菌糸ビンの温度管理

特に重要なことですが、菌糸ビンを使用して幼虫を大きく育てるには、

温度管理が大切です。

せっかく菌糸ビンで育てているのに常温だと高確率でサイズの小さい成虫になります。

常温管理のデメリットは、

・昼夜の寒暖差で菌糸のキノコが育ち、キノコに栄養分が摂られる
・温度が高いと、オオクワガタが早期羽化してしまう
・温度が15℃以下だと、幼虫が餌をほとんど食べなくなる

このように菌糸だけでなく、幼虫の成長にも影響を及ぼします💦

最も簡単な温度管理方法はエアコンですが、電気代が高いので、冷やし虫家での管理がオススメです。

冷やし虫家で幼虫管理

こちらが冷やし虫家

私は幼虫飼育に冷やし虫家を2台で管理しています。冷やし虫家は1時間あたりの電気代が約1円なので、電気代がとても安く、長期で温度管理するにはオススメです。空調機器が故障した際も新品は1年のメーカー保証(シーラケース)がついて、それ以降の故障でも1万円程で修理して頂けます!

小規模で、大型狙いの幼虫飼育される方にはぜひオススメです♪

菌糸ビンの投入時期と交換

菌糸ビンの投入時期はブリーダー様によって千差万別です。大型を狙う方は初令でも投入することがあります。ですが孵化したてで頭や体が透けている状態だと菌糸に負けてしまう恐れがあります。

なので、産卵セットで幼虫にしっかりと色がつくまで育ててから投入するのがオススメです。

菌糸ビンの交換時期は2〜3ヶ月を目安に交換してください。

オオクワガタは生まれてから10〜12ヶ月で羽化しますので、菌糸ビンを計3回交換します。場合によっては4本になる場合もあります(^^;)

菌糸ビンのサイズですが、

800cc、1100cc、1400ccが主です。

私の場合、以下にて菌糸を詰め替えてます。

♂ 800cc・1400cc・1400cc
♀ 800cc・800cc・800cc

菌糸は販売元よりたくさん種類があります。私が特におすすめなのは月夜野きのこ園様のオオヒラタケを使用したEブロック(菌糸ブロック)です。実績もあり、まとめ買いで送料無料になるのでコスパが良いです♪

♂と♀の見分け方

♂と♀は特徴の違いが2つあります。

卵巣の有無

初令で見分けるのは困難ですが、♀の場合、2令になると幼虫のお尻のところにオレンジ色の丸い斑点(卵巣)が確認できます。

幼虫の体重

初令ではほとんどわかりませんが、2令以降は体重差が出ます。

参考までに、♀の幼虫の最終体重は20g無いくらいです。もし、20g超えていたら大型で羽化する期待大です♪

2本目へ菌糸交換する際は幼虫体重に随分と差がでるので、性別の判別しやすいです♪

菌糸ビンに幼虫を投入する

菌糸ビン

菌糸ビンに投入するときは、幼虫が菌糸に入りやすいように菌糸の上部から中央にかけて穴をあけることをオススメします。

電動ドリル

私は幼虫のサイズに合わせてマキタの電動ドリルを使用して菌糸ビンの穴を空けたり、広げたりしています。

菌糸ビンに移す際の注意点

幼虫を菌糸ビンに移す際、傷ついて体液が漏れてしまうと残念ながら☆になります。

死んだ幼虫

幼虫が☆になると、このように真っ黒になりますので、幼虫が傷つかないように十分注意してください。

万が一、幼虫が自分の体を傷つけそうな時は固いもので背中を撫でると、のけぞりますのでその隙に菌糸を交換して下さい。

また、蛹になる直前(前蛹)若しくは蛹の状態で、菌糸交換で蛹室を壊してしまうとそのままだと羽化不全のリスクが高くなるので、人口蛹室に入れ替えて下さい。

幼虫の暴れについて

菌糸を交換後に菌糸の酸素が足りていなかったり、幼虫に菌糸が合わなかった場合、菌糸ビン交換後の幼虫は中で動きまわります。

 

暴れ

これを「暴れ」といいます。一見たくさん食べて良さそうに見えますが、実はその反対でせっかく体重の育った幼虫が暴れることで体力を消耗して幼虫の体重が落ちてしまいます。

上記の画像ではそこまで暴れてませんが、幼虫が菌糸ビンの周りを2周くらい這うように食っていたら暴れと判断します。暴れがおさまる判断としては、菌糸は数日すると再生するので、菌糸が再生されても同じように暴れ状態が続くと対策が必要です。

逆に、菌糸ビンの周りが真っ白な状態だと幼虫が体力を消耗せず、その場でじっと菌糸を食べている可能性が高いです。これを「居食い」といいます。居食いの状態が続くと幼虫に体重がのりやすいです。

大型を狙うには幼虫の暴れを防いで、居食いさせることがポイントです♪

まとめ

菌糸の良い選び方と正しい用途は?

・菌糸の種類と特徴を理解し、幼虫に合った菌糸を選ぶ
・菌糸ビンの温度管理を徹底する
・時期を見て菌糸ビンを交換する
・幼虫を暴れさせない

以上です。

私は、能勢YGと能勢SR血統を合わせて22頭を菌糸ビンで温度管理の上で、育てています。

結果が出たらまたご報告させて頂きます☺

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それでは(^^♪

川西!!

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